「副業で稼ぎたい」と願う人は多い。だが、実際に結果を出し続けている人は驚くほど少ない。この差を生むのは、才能でも努力量でもノウハウでもない。突き詰めると、差はほぼ一つに収束する。

作業に入るまでの「環境設計」ができているかどうか。

結論だけ先に言えば、勝負を分けるのは「作業開始までの摩擦(フリクション)」だ。

机に向かって1時間作業できる夜を待つ人より、通勤中の10分を毎日積み上げられる人のほうが、最終的には圧倒的な成果を出す。

この記事では、ブログ自動化を実運用している現実、数百アカウント規模のBANを経験した末の判断、「もう二度と戻らない」と決めた自動化と「今も続けている自動化」、そしてそのすべてを支えている Termius × Claude Code × VPS という環境について、きれいごと抜き・省略なしで書く。


1. 副業が止まる本当の原因は「時間不足」ではない

ポイントは「時間の長さ」ではなく、「開始までの距離」だ。

よく聞く言葉がある。「本業が忙しくて、副業の時間が取れない」。断言する。それは原因じゃない。本当の敵は、作業を開始するまでの摩擦(フリクション)だ。

人は「静止状態」から動くのが一番しんどい

これは精神論ではなく、ほぼ物理法則だ。帰宅する、PCを開く、電源を入れる、ブラウザを立ち上げる、タブを探す、昨日の続きを思い出す、ログインが切れていてやり直す……。

この準備フェーズだけで5〜10分は簡単に溶ける。その間に Slack、X、YouTube、LINE といったノイズが割り込む。結果、「今日はいいか」で終わる。

意志が弱いわけじゃない。開始コストが高すぎる環境にいるだけだ。

15分の隙間時間を「ゴミ」にするか「資産」にするか

「15分しかないから無理」。この思考が出た時点で、その副業は長期的に負けている。

逆に、スマホを開いた瞬間に、昨日の作業の続きがそのまま目の前に現れる状態を作れた人間は、やる気に頼らず積み上げられる側に回る。


2. Termius × VPS:デバイスの制約を完全に消す

環境をVPSに集約すると、「どの端末でも同じ作業」が可能になる。

私がたどり着いた答えは、「すべての作業環境をVPSに集約する」ことだ。

Termiusは「SSHクライアント」ではない

Termiusの本質は「同期」にある。

  • 接続設定がクラウド同期
  • スニペットも履歴も共有
  • iPhone / iPad / 会社PC / 自宅Mac どれでも同一環境

どの端末を手に取っても、接続先は同じVPS。端末はただの「表示装置」になる。「家のPCじゃないからできない」という言い訳は消える。

tmuxで「中断」という概念を消す

VPS上では tmux を常用する。電車で通信が切れても、トンネルに入っても、アプリが落ちても、作業は止まらない。

再接続した瞬間、カーソル位置もログのスクロール位置もすべてそのまま。これは「再開」じゃない。「継続」だ。この感覚を一度知ると、ローカル作業には二度と戻れない。


3. 通勤中60分の「リアルな使い方」

「机に向かわない前提」でどう回すかを具体的に書く。

ここは一切盛らない。私の日常だ。

時間配分

  • 行き(30分): 前日夜〜朝に回した自動化のログ確認。エラーがあれば原因箇所を特定し、Claude Codeに解析・修正案・次回実装候補を投げる。
  • 昼休憩(15分): AIが出した修正案を反映。ワンコマンドで再実行。テストを流す。
  • 帰り(30分): 実行結果の確認。「やりたいこと」を整理し、Claude Codeにドキュメント追記や明日の調査タスクを依頼。

合計約75分。机には一切座っていないが、やりたいことは大体終わる。欲が出たらその場ではやらず、ドキュメントに残して翌朝送り。これで再現性が跳ね、毎日同じリズムで進む。気合はいらない。


4. なぜ Claude Code を VPS で使うのか

ここは「Web版と何が違うか」を一言で伝える。

Web版Claudeとは別物だと思っていい。

「考えて手を動かすAI」

Claude Codeは、ファイルを読む、ログを読む、コードを書く、修正する、テストを回す……これらをすべてやる。スマホでコードを書く必要はない。「昨日のエラーを見て原因を特定して修正して反映して」と一行投げるだけだ。

VS Code Remote を使わない理由

モバイルでは重すぎる。通信量が多く、回線が不安定だと即死する。画面も狭すぎる。Termius + CUI は軽い。アンテナ1本あれば、地下鉄でもトンネルでも作業ができる。


5. 自動化システム失敗談(全部本当の話)

ここからは、血を流して得た教訓だ。

note自動化:600アカウント、全BAN

技術的には完璧だった。だが、運用が不自然すぎた。投稿頻度、成長曲線、行動パターン……すべてがアルゴリズムに見透かされていた。

BANされた瞬間、思ったのは「やっぱりか」という納得感だけだった。その瞬間に決めた。全部やめる。積み上がらない自動化は、時間の無駄だ。

詳しくは👇で書いてます

YouTube Shorts と Twitter の挫折

  • YouTube: 動画は量産できたが、クオリティが低く視聴維持率が終わっていた。自動生成のゴミを積む意味はないと悟った。
  • Twitter: アカウント作成が安定せず、作れても即BAN。出口のないモグラ叩きに疲れ果てた。
  • Chromiumビルド: 自由度を求めて自作したが、メンテ不能に陥った。副業の枠を超えた深追いは厳禁だ。

6. 回避ツール(2Captcha等)の甘い罠と不都合な真実

ここは「短期の効率が長期の破滅を呼ぶ」話だ。

個人ブログだからこそ、2CaptchaやJuicySMS(SMS認証代行)について本音を書く。

「回避」はビジネスではなく「ただの消耗戦」だ

2Captchaを使えば、CAPTCHAを突破してアカウントを量産できる。だが、ここにリソースを全振りするのは 「沈みゆく泥舟に豪華なエンジンを積む」ような行為だ。

  • プラットフォームとのいたちごっこ: サイト側がCloudflareの最新版を導入した瞬間に、あなたのコードはゴミに変わる。
  • 不自然な足跡: AIを駆使したプラットフォーム側は、回避ツール経由の解決を「不自然な挙動」として検知している。
  • メンテナンス地獄: 回避ツールの仕様変更のたびに修正を迫られる。これでは「自由を作るための自動化」が本末転倒だ。

「使い捨てアカウント」は虚業でしかない

SMS認証代行で強引にアカウントを作っても、それは「借り物の命」だ。ある日突然、再認証を求められた瞬間にすべてが死ぬ。

600アカウントを全BANされた私が得た最大の教訓は、「プラットフォームに生殺与奪の権を握られた仕組みは、副業ではなくギャンブルである」ということだ。

もちろん、実験用には便利だ。だが、収益の柱をここに依存させてはいけない。「夜、安心して眠れる仕組み」こそが最強なのだ。


7. 今、実際に自動化している範囲

「全部自動化しない」ことが一番のポイントだ。

数々の失敗を経て、現在は「プラットフォーム依存が低い」「BANされにくい」「積み上がる」ブログ自動化にシフトした。

自動化している範囲人力でやっている範囲
データ収集・キーワード抽出エラーが出た時の最終判断
記事生成・更新サイトの全体的な違和感の検知
過去記事のリライト新規ジャンル参入の意思決定

なぜ異常系を自動化しないか? 無理だからだ。 異常系まで自動化するとシステムは必ず暴走し、BANのリスクを自ら高めることになる。


8. 本気で使って後悔しなかったサービス

ここは「速さ・実験場・アカウント運用」の3点でまとめる。

カテゴリサービス名理由
爆速・大量処理Groq / Cerebras圧倒的スピード。データ整形に最適。
実験場Kaggle重い処理を回してもローカルを汚さない。
アカウント管理iCloud / Google Workspaceアドレス量産とキャッチオールが最強。

※2CaptchaやJuicySMS、DataImpulse(プロキシ)などは、必要最小限の「点」で使うべきであり、これらを前提にした「線」の設計はおすすめしない。

iCloudとGoogle Workspace運用の注意点は、別記事で詳しくまとめた。便利そうに見えるiCloud運用が危険な理由


9. まとめ:才能を疑う前に、環境を疑え

最後に要点だけまとめる。

副業が続かない理由はシンプルだ。

  1. 環境が悪すぎる
  2. 摩擦が多すぎる
  3. 開始までのハードルが高すぎる

それだけだ。

Termius × VPS × Claude Code × tmux

これは魔法じゃない。でも、止まらない。スマホ一つで、昨日の続きに1秒で戻れる。それだけで、あなたはもう大半の脱落者より前にいる。

規約スレスレの回避ツールで消耗する前に、まずは「どこでも戦える自分だけの秘密基地(VPS)」を構築してほしい。副業を「苦行」から「24時間いつでも進められる戦略ゲーム」に変えるのは、あなたの意志ではなく、あなたの選んだ道具だ。